身体は素直に鳴いている

……ギジッ、ギシッ、と律動に合わせ背中でベットが軋む。

 

 

目の前には端正な顔に、僅かに汗ばんだ胸板。そして柔らかそうな髪が男の香りを漂わせながら揺れている。

 

 

 

「あぁ……っ、んっ、」

 

「いいですか、ここ」

 

「んっ、すごいっ、いぃ…」

 

 

 

あぁ、どうしてこうなったのだろうと頭の片隅で思いながらも、身体は素直に鳴いている。

 

 

ナンパについて行くことなんて早々ない。そんなの若い頃に嫌というほどされてきたし、良くも悪くも色々と経験した。

 

 

それなのに。別れたばかりだというのに。一言二言会話を交わした相手について来てしまった。

 

 

だけど決してやけを起こしたわけでも、寂しかったわけでもない。

 

そう。ただただ私はこの魅惑的な男に惹かれたのだ。

 

 

「やぁっ、あぁ…っ、 」

 

「いいですね、その声。でも壁、薄いですからね」

 

 

 

モラルや常識すらも脳から溶け出し、快楽に溺れる私を見てクスリと綺麗に笑う男。

 

 

じゃあ鳴かすなよと抗議したくなるのだけれど、喘ぐことしかできない私は彼のいい玩具だ。

 

 

 

 

 

彼がここ数日泊まってるというビジネスホテルに着いてから、明るいところで彼を改めて見てみると、その顔はどこかあどけなく、どう見ても年下でどうしようかと思った。

 

だって、今まで年下を相手にしたことなんてないし、それよりなにより。おばさんだって引かれたらどうしようと、のこのこついて来た癖に入口で躊躇した。
だが顔に似合わず、やや強引な彼に早く入って下さいと言われ、そしてそのまま縺れ合いベットインした。

 

 

そんな彼は逆に、どのタイミングで私を年上だと判断したのだろう。

 

会ってから今の今まで、頑なに敬語を崩さない。ベットの上でもだ。

 

 

まぁだけど。それが妙にエロくて、さらに私の心を掻き立ていいのだけれど。

 

 

 

「後ろ向いて、手ついてください」

 

「……えっ、やっ、ひゃっ、」

 

 

 

突如腰を持ち上げられ、身体が一瞬浮き上がった。

 

そして次の瞬間、ガラスに戯れる二人の姿が映し出され、咄嗟に目を背けた。

 

 

 

「……やだ、」

 

「そらさないでよく見て。あれがあなたですよ」

 

 

 

言われるがままの自分に驚きながらも、再び窓に映る私達に目を向ける。

 

 

……あぁ、私こんないやらし格好して、思い切り声を上げて。それに最中の私ってこんなに顔していたんだ。

 

 

だけど悪くない。官能的でもっともっと刺激が欲しくなる。気がつけば快楽を探ることに夢中になっていた。

 

 

「ねぇ……もっと、して」